高温で起こる事

高温の流体を扱う際にポンプ自体の耐熱精度やキャビテーションの他に、高温流体ならではの基本的注意点があります。

高温であるがゆえに揚程や材質、使用環境など細心の注意を払う必要がある事象を紹介します。

 

キャビテーション

キャビテーションを一言で説明すると、液体中に泡が生じる現象のことです。

通常「液体中に泡が発生」と言うと沸騰をイメージしますが、キャビテーションは常温でも気泡が発生する現象です。

それゆえ、そもそも対象液が高温である=沸点に近いという場合はキャビテーションの発生も視野に荒れておく必要がありますね。

キャビテーションの基礎知識はコチラ→https://hightemperaturepump.eichitwo.com/?page_id=547

 

揚程の計算

揚程5ⅿの時100L/minの水中ポンプで5m下のドレン排水(80℃)を引き上げたい。こういったご相談を多くお受けします。

この時、実際に5m引き上げることは可能でしょうか。

可能ではありますが流量がすごく落ちると想定します。

高温での移送は配管の圧損の計算を含まず流量が低下します。

 

高温液の腐食性

腐食性のある液体での移送にはポンプの材質が鍵となります。

強アルカリ性の高温ドレン排水や高温の硫酸や硝酸等の液体を移送する際に温度と材質によって腐食性が高くなるという事を念頭に置く必要があります。

エイチツーの耐熱ポンプ本体の材質はFC+エポキシコーティング、PP、SUS304、SUS316、アルミ、PVDF、FRP等様々で

その流体の温度、腐食性等の性質によって使い分ける必要があります。

 

粘度の変質

一般的な流体であれば1℃の温度の上昇につき最大で10%粘度が低くなると言われています。

高温で粘度が下がること自体は特に問題ありません。

一軸ねじ式のポンプでは高温かつ高粘度の流体を無脈動で移送することが可能です。

 

安全であること

やはり対象液が高温流体であるゆえに、飛散リスクも付きまといます。

陸上ポンプでの高温移送は、もしものポンプトラブル時に高温水が作業者へ降りかかる恐れがある為

対象液と移送目的地が水中ポンプ使用と適合するのであれば使用を推奨いたします。